絵と言葉と

生きることはアートだ。生きるを笑おう、生きるを遊べ!

過去への扉

私は過去への扉を閉めることにした

 

これからの人生に、もう必要ないと思うからだ

 

それは過去を捨てることではないし、出逢った人たちへの感謝を忘れることではない

 

ひとつの区切りを付ける為に、何度も書こうか迷ったことを今吐き出そうと思う

 

 

子どもの頃、私は見ず知らずの男性に後を付けられ、殺されかけた事がある

 

この出来事は私の人生に、ずっと暗い影を落とし続けた

 

ちょうど同じ頃、学校の先生からも友達にも嫌われ

 

物を隠されたり、死ねと電話がかかって来たりしていた

 

私は人を信頼する、自分を信頼するという事がよく分からなかった

 

神様に見放されていると思った

 

家も落ち着ける場所では無かったし、経済的な理由から、好きな分野に進学する余裕も無かった

 

大人になっても、生きることの苦しさから、子どもを持たない人生を選択した

 

 

それでも私は、悲しく苦しい出来事を嘆き悲しむより、力に変えようと懸命に生きて来た

 

それは十一年共に暮らした、最愛の夫が亡くなっても、変わらずそう思って生きて来た

 

死に憧れる気持ちが、癖の様に張り付いていたけれど

 

それでも生きてこれたのは、可哀想と思われるのが悔しいという意地のようなものや

 

苦しさを反転させるほどの、光を見たいという思いがあったからかもしれない

 

悲しさや苦しさを経て、今の私がある

 

だから必要以上に、私は過去を大切にしているところがある

 

心優しい人たちに囲まれ、光の当たる場所に居ても、居心地の悪さや罪悪感を感じていた

 

優しさや愛をどう受け取っていいか分からなかった

 

でも、それはもう要らない感情だ

 

閉めた扉から、悲しみがあふれ出そうとも

 

私はもう自らの手で、その扉を開けることはしない

 

過去を基準に今を捉えることも、苦しさを理由に隠れることもしない

 

 

今という一瞬をただ生きる

 

魂の望む喜び溢れる生き方をする

 

それは希望や祈りではない

 

自らに約束する誓いだ

 

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この文章は2017年7月、Facebookに投稿したものに加筆・修正したものです。

 

作品タイトル 「私という名の薔薇」

作品サイズ 約23×16cm

使用画材 パステル、墨

2017.05.09

 

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