「それって何号?」
絵の話をしていると聞かれることが多い
私は号数という感覚と知識がないので
「絵はこのくらい。額装も含めるとこのくらいかなぁ。」
身振り手振りを交えて、適当に答える
初めの頃は、素数の組み合わせでサイズを決めたりしていた
あるいは、手元にあったスケッチブックそのまま
「なんでパステル画なの?」
と聞かれれば
十数年ぶりに絵を描き出した際に
家に残っていた絵の具は固まって使えず
唯一、使えたのがパステルだったに過ぎない
たまたま偶然(必然的)に、自分の感性にぴったりと合った
私は溢れる想いを吐き出すように、次々と作品を生み出していった
絵を仕事にしたい、見てもらう機会を増やしたいと思うに連れて
絵に関してアドバイスを下さる方との出会いも増えた
素晴らしい出会や参考にさせてもらっていることも沢山あるが
画材の変更を勧められたり、値段のつけ方を笑われたりすることもあった
絵が暗い、作者の想いが出過ぎていると言われれば
絵という表現は、私の一部でしかないにも関わらず
絵の批評を自分自身への評価のように感じてしまい
受け入れてもらえないようで、落ち込むことも多かった
他の人のやり方が気になるようになり
恥をかきたくない、馬鹿にされたくない
そんな想いが、いつしか心に巣食っていた
すべては、自分の自信の無さが招いたことなのだが
進む方向がわからなくなり、迷子になった
自らを枠にはめて、どんどん窮屈になっていた
「自分自身の感覚をもっと信頼していい。」
最近になって、ようやくそう思えるようになった
人のアドバイスに耳を傾けることも大切だけれど
内側から発する想いを信じて
自由気ままに、好きなように生きればいいのだ
「光と闇」は、そんな初心を思い出させてくれる
この作品は、十数年ぶりに本格的に描いた最初の一枚
手元にあったスケッチブックでは溢れる想いが納まらず
紙を継ぎ足していき、連作にして一つの額に収めた
花の姿を表と裏から描き、上下に伸びていく構図
少ない色数のパステルと背景には墨汁を使っている
百合が咲く勢いと競うように、寝食を忘れ夢中になって描いた
自分の中に、とても大きなエネルギーがあることに気づき
驚いたことを今でも覚えている
「 光と闇 」
光があるから闇がわかる
闇があるから光が際立つ
光の方向を示してくれた人たち
あの人のようには私はなれない
どんなに真似しようと溢れるアナタ
どんなに真似しようとハミ出るワタシ
光へ向かう道は人の数だけあるらしい
出逢いの奇跡は彼方よりの約束だ
交差した一瞬の輝きを永遠の愛に変え
それぞれの光を目指しヒトリ行く
作品タイトル 光と闇
作品サイズ 約 64 × 37cm
額装サイズ 約 74 × 56cm
使用画材 パステル、墨
2016.11.20
非売品
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