「自分の道は自分で決めるべきだ。俺もそう思う。だけど、人によって障害物の数は違う。正しい道に戻れる人もいれば、取り返しがつかなくなる人もいる。誰と出会うか、出会わないか。」
綾野剛演じる伊吹と星野源演じる志摩が、機動捜査隊でバディを組んで事件を解決していく刑事ドラマ『MIU404』
「何かのスイッチで道を間違える。」ピタゴラ装置になぞらえて、志摩が放った言葉が印象的だ。
このドラマを見て、何回も号泣させられている。しかもその何度かは、罪を犯してしまった者に感情移入して...
誰と出会い、出会わないかで、人生は大きく変わってくる。それを分けるものは何なのだろう。
『グラン・トリノ』という映画を思い出す。
クリント・イーストウッド演じる偏屈で孤独な老人と、アジア系移民の少年タオとの心の交流を描いた感動作...のはずなのだけれど、映画館を出る私の心はひどく重苦しかった。
ギャングにそそのかされ、隣家に車を盗みに行ったタオは、老人に見つかり、それがきっかけとなり成り行きで二人の交流が始まる。
ギャング達のタオへの嫌がらせは増していき、老人を巻き込んで報復合戦となっていく。
ネタバレになってしまうが、老人は大切な友人となったタオたち家族に、被害がこれ以上及ばないように、自らをギャング達に殺させるのだ。
タオもギャング達も、同じ年頃の少年だ。彼らを分けたのは何だろう。
ギャング達だって、クリント・イーストウッドのような老人と出会えていたら、罪を犯さない道へと戻れたのではないのか。
誰かが心の扉を叩き続ければ、踏み出す一歩をタオのように、光の方向へと向けることが出来たかもしれない。
出合いを分けるもの、進む先を分ける分岐点
私の心にずっと引っかかっていたのだ。
『スター・ウォーズ』では、アナキンがダークサイドに落ちて、ダース・ベイダーになるシーンで号泣した。
真っ赤に燃え盛る炎の中で、涙を流すアナキンの姿が目に焼き付いている。
『もののけ姫』では、猪神の王が自然を破壊した人間に対して、怒りと憎しみでタタリ神になってしまうシーンに涙が止まらなかった。
私はどうも、その手の描写に感情移入してしまうらしい。
なりたくて悪に転じるわけでも、闇に落ちてしまうのでもない。
始まりは優しさだったり、大切なものを守るためだったり...かなしくってしょうがない。
私は自分自身が、何かのきっかけで、ダークサイドに落ちてしまう可能性があることを知っている。
人の心は弱く、志摩の言うように、何かのスイッチで道を間違えてしまうものなのかもしれない。
『MIU404』は、今週の金曜日が最終回
こんなにもハマったと言うか、号泣したドラマは久しぶり。
クスッと笑えるシーンもいっぱいで、志摩と伊吹のバディが見られなくなってしまうのが残念。
桔梗隊長も、九重くんも、陣馬さんも、エンディングに流れる米津玄師『感電』もサイコーにカッコいいのだ!
人は人と出会い変わっていく
誰と出会うか。出会わないか...
作品タイトル タイムカプセル002
作品サイズ 約 16 × 22cm
使用画材 チャコールペンシル
2017.05.15
#MIU404
#グラントリノ
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