部屋の片付けをしていたら、父からの手紙が出て来た。
たぶん当時25歳くらい。地方公務員をしていて、ひとり暮らしをしていた。
高校を卒業して、お金のため、生活の安定のために選んだ仕事だ。
自分に合わない仕事を続けるのが苦しくなっていたけれど、かといって次の仕事のアテも貯金も大してなく、実家に戻るのも絶対に嫌だった。
仕事を休むようになり、職場の人と話す気力もなくなり、お昼休みも逃げるように外へ出るか、ヘッドフォンで耳を塞ぎ、不貞腐れ、生意気で覇気がなく...扱いにくい人間だっただろう。
当時を思い出すと、周りの方々に申し訳なかったと本気で思う。
辞める覚悟をして、意を決して実家に報告に行った。
父は人の話を最後まで聞かず、怒鳴り散らし、気に食わなければ出てけと言う人で、報告は気が重かった。
しかし、精神的によほど参っていたのだろう。
私は話しながら息が出来なくなるほど泣きじゃくり、頭が痛くなって、その晩は実家に泊まった。
安定した仕事を辞めること、お金が無くなること、ひとり暮らしが出来なくなること、不安だらけだった。
その時、父がなんて言ったか覚えていない。
怒鳴られた記憶もない。
それほどに、弱々しかったに違いない。
朝起きると、広告の裏に父からのメッセージがあった。
父とは分かり合えないと思っていた。
喧嘩をするのも面倒で、結婚してからも心の距離をずっと保っていた。
三年前に亡くなり、今こうして振り返ってみると、父は父なりに私を愛してくれたのだと思う。
私が欲しい愛のカタチではなかったけれど。
お互いに頑固で気性が荒く、未熟なもの同士だから仕方ないよね〜(笑)
お父さん!今ようやく、前向きに希望を持って生きる生き方を始めたよ〜〜
まぁ、何とかなるよね!
この文章は、2017年8月にFacebookに投稿したものに加筆・修正したものです。
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